2020年度入学式を挙行しました
2020年4月2日(木)、愛知工科大学体育館にて第12回愛知工科大学大学院、第21回愛知工科大学、第34回愛知工科大学自動車短期大学の2020年度入学式を挙行しました。
日本国内では新型コロナウィルスの拡大している現状を鑑み、2020年度入学式の規模を縮小し、新入学生のみで行いました。入場者の制限、手指消毒・マスク着用の徹底など感染予防対策を十分行い挙行しました。新入学生および保護者の皆様におかれましては、この日を楽しみにされていたことと思いますが、皆様の健康と安全を第一に考えた末、このような決断に至りました。何卒ご理解賜りますようお願いいたします。
告辞
入学おめでとうございます。教職員一同、皆さんの入学を心より歓迎致します。
我々は、皆さんが愛知工科大学並びに同自動車短期大学を選び、本学に未来を托されたことを重く受け止め、皆さんが卒業される時には、この大学に入り、卒業できて良かったと心から思って頂けるよう全力を尽くします。同時に、皆さんにも、本学の教育指針「心を磨き、技を究め、夢に挑む」に則して全力を尽くして頂き、意欲と人間性と能力を併せ持ち、学園建学精神の体現者として、喜ばれ歓迎されるエンジニアとなって自立し、夢の実現を通して社会に貢献して行くための土台をしっかりと作って頂きたいと思っています。
その土台作りの場となる本学は、自動車を中心とするモノづくりで日本の工業製品出荷額の2割弱を担う中京工業圏と遠州工業圏のほぼ真ん中に位置していると同時に、日本の1割弱、愛知県の6割強のモノづくりを担う三河の中央にも位置しています。そのため、本学の周辺には多くの企業が立地しており、これらの企業と連携した取り組みを行うのに大変恵まれた場所にあると言えます。
このような本学の地の利を生かした取り組みの1つが、工学の原点に立つ実践的技術者教育です。その一例が企業で研修を行うインターンシップであり、4大では希望者に対して1年生から3年生までの間に、短大では2年生全員が参加してそれぞれ行っています。インターンシップに参加することにより、企業現場の実際の技術に触れ、エンジニアの仕事の凄さ、面白さを実感すると同時に、エンジニアとして仕事をしていく上で何が必要かを体験的に学び、皆さんの学習意欲が向上することを期待しています。こうした実践的教育を工学分野に留めず、社会科学分野にも広げるべく、これまで「三河産業史」や「国際社会と日本企業」などを開講して来ました。さらに今年度から、これまでの「経済学」や「法学・政治学」のような学問を学ぶ授業ではなく、皆さんが生きている現実の社会における諸問題を題材にしてそれらを理解し、自分なりの見方・考え方を養うために、これらの科目を「現代経済」、「現代社会の法と政治」に改め、内容と授業方法を一新することにしました。また、モノづくり教養科目の1つである現役の社長さんによる講義「三河企業のモノづくり戦略」などもそうした例の1つです。
我々が行う教育は、皆さん一人ひとりが喜ばれ歓迎されるエンジニアになり、自立と夢の実現を果たし、遣り甲斐のある幸せな人生を送って貰うために行うものでありますが、同時に日本・世界の製造業の中心として雇用と富の創出を担うこの地域が今後もその役割を果たし続けられるよう、厳しい国際競争の中にある企業の成長を支え担うエンジニアになって貰うために行うものでもあります。
そのようなエンジニアになるために何が重要かと言えば、私は「夢や目標を持ち、それに向かって諦めずに努力を続けていれば必ず達成できるようになるという体験の積み重ね」だと思っています。今まで分からなかったことが分かるようになる、できなかったことができるようになる、問題は解決できる、という達成感、いわゆる成功体験を持つことが重要だと思います。1つ1つの達成感は些細なことで良いので、その積み重ねが「どんなことでもやればできる」という自信につながります。この自信が新たな挑戦への原動力となり、社会で生き抜き、活躍を続けるための力の源になります。このような達成感を大学時代に是非味わって頂きたいと思います。大学での学びを通して修得すべき知識や技能・技術、資格などは諦めないことの結果であり、達成感と一体のものです。
このような達成感を日々積み重ねる一方で、現実の社会の様々な問題に目を向け、社会や産業界などについての理解を深め、自分は何のために生きるのか?どう生きるべきなのか?などについて考え、悩んで頂きたいと思います。こうした悩みを通して、自分は何をしたいのか?さらには何のために生きるのか?などについてぼんやり何かが見えて来るようになり、それが夢や目標につながって行きます。そして、地道な日々の努力によって積み重ねて来た「やればできる」という自信が夢や目標に向かって諦めずに進んで行く原動力となります。
そのためにも、できるだけ多くの人と交わり、また多くの本を読み、心に響く友人や夢中になって読める本を是非見付けて欲しいと思います。友人との交流や読書を通して、ぼんやりであってもこれだと思える夢や目標を育んで頂きたいと思います。
ぜひ卒業時には、皆さんの誰もがこの大学に入り、卒業できて良かったと思えるようになる学生生活を送られんことを願い、告辞といたします。
2020年4月2日
愛知工科大学/愛知工科大学自動車短期大学
学長 安田 孝志